【司会進行編(後編)】宴会幹事のためのマニュアル

目次【好感を持たれる話し方】 早口にならないよう丁寧に話す メリハリをつける マイクはこぶしひとつ分 人を指すときは手のひらで 拍手をするときは率先して 目線に気をつける アクシデント対応術 酔っ払いが騒ぎ出した時 時間 […]

【好感を持たれる話し方】

 

 

早口にならないよう丁寧に話す

自分ではあまりわかりませんが、最初は気をつけて話していても会が進むにつれてどんどんと早口になってしまうことがあります。お仕事で電話を使われる方はよくわかると思うのですが、早口すぎて相手が何を言っているかわからない時ってありますね。あれは本人は特に意識はしていないのですが、そう話すことに慣れてしまったため結果早口になってしまっているのです。自分では「ちょっとゆっくりすぎるかな?」程度が聞き取りやすくてよいでしょう。

 

メリハリをつける

私の勤める会社にいるのですが、「すごくどうでもいい話をしているのにこちらが思わず耳を傾けてしまう人」と「大切な話をしているはずなのに話が右から左へ抜けてしまって全く頭に残らない人」。何が違うのかというと「メリハリ」なのです、前者は身振り手振り、緩急も上手で抑揚、間の取り方も抜群によくて、後者は全てが一辺倒でずっと同じトーンで話します。メリハリをつけて話すのはなかなかテクニックが要りますが、周りにいる話上手な人を研究し技を盗んでみるのもいいと思います。

 

マイクはこぶしひとつ分

マイクの性能にもよりますが、基本的にはこぶしひとつ分あけて話すと綺麗に聞こえます。マイクの角度をあまり下にしすぎても顔が下を向いてしまい印象がよくありませんし、上過ぎてもナルシストなボーカルのようで残念に見えます。自分の顔が正面に向くような角度でマイクを持つようにしましょう。

 

人を指すときは手のひらで

人差し指で人を指すことは失礼にあたります。人を指すときは必ず手全体を使って指すようにしましょう

 

拍手をするときは率先して

拍手が必要な場面には自分から率先してするようにしましょう。参加者の皆さんは必ずつられて大きな拍手をしてくれるはずです。
拍手が欲しいときになかったり、タイミングが遅れたりするとそれだけで残念な空気になってしまい失礼にあたります。一番に拍手をして恥ずかしいことなどなにもありません。
拍手の一拍目は必ず自分が叩くぐらいの気持ちで拍手をしましょう。

 

目線に気をつける

自信がないとついつい目線は下がりがちになってしまいます。やたら泳ぐ目線もNG。会場の誰かに語りかけるようにするか、人物の顔よりほんの少し上に目線を置くようにしましょう。誰かが話しているときはそちらをむいてふんふんと頷くと好印象です。

 

アクシデント対応術

 

酔っ払いが騒ぎ出した時

結婚式などでは司会がたしなめることもありますが若手社員から上司ですとなかなかそうもいかないと思います。誰か役職のある人や年配の方からたしなめてもらったりこっそり外に連れ出してもらうのが角も立たず良いかもしれません。

 

時間が足りなくなってしまった時

スピーチを頼んでおいてカットすることは絶対にNGです。歓談の時間を短くしたり他の項目を削ったりして切り抜けましょう。それでも足りなくなってくることはあるものです。
その時はスピーチをお願いしている上司に「申し訳ありませんが、あと○分しかありませんので短めにお願いします」と頼んだり最悪会場側に「不慣れなもので申し訳ありません15分ほど延長はできませんでしょうか?」と時間延長を頼んでみます。

 

下品な話や個人攻撃が始まったとき

誰にとっても不快でしかない下ネタや、個人攻撃等が始まったときはできる限り制止しましょう。「○○さん、○○さん」と呼びかけて首を振ったり、「○○さん、その話はまた後ほど・・・」と言って角がたたないように制止しましょう。

 

覚えておきたい敬語とよく使うフレーズ

正しい敬語を使うことは難しいと思いますが、慣れないうちは丸暗記でもOKです。言葉は慣れですから自然と話すことができるようになると思います。ここでは覚えておきたい敬語を紹介したいと思います。

基本 ⇒ 丁寧語 ⇒ 尊敬語 ⇒ 謙譲語

聞く ⇒ 聞きます ⇒ お聞きになる ⇒ うかがう
言う ⇒ 言います ⇒ おっしゃる ⇒ 申す
食べる ⇒ 食べます ⇒ 召し上がる ⇒ いただく
見る ⇒ 見ます ⇒ ご覧になる ⇒ 拝見する

そして司会者はできるだけ否定的な言い回しを避けます。「ワインは用意できません」というよりも「ワインは用意できかねます」と言ったほうが感じがよくなります。
同様に依頼する場合も「荷物を移動して下さい」というよりも「荷物を移動していただけませんでしょうか」としたほうがポイントが高く評価も上がります。

よく使うつなぎのフレーズ例
・まもなく~でございます。
・ただいまより~を始めます。
・お待たせいたしました。
・ご歓談中ではございますが・・・
・○○様にご登場いただきましょう。
・おくつろぎのところ大変恐縮ですが・・・
・準備が整ったようでございます。
・お楽しみいただきましょう。

 

具体的な司会の例文(締めのあいさつ)

忘年会

さて、そろそろ宴もたけなわではございますがそろそろお開きの時間となりました。最後は平野部長の手締めにてお開きとしたいと思います。みなさんその場でご起立下さい。では平野部長お願いいたします。

ありがとうございました。これをもちまして忘年会をお開きとさせていただきます。皆さんよい年をお迎え下さい。そして来年も元気でお会いしましょう。
なお、このあとの二次会は「さつま」を予約しております。お時間の許す方は是非ご参加頂きたいと思います。

 

転勤者の歓迎会

それでは今回の異動にて晴れて技術部の一員となられました小島主任に一言、ご挨拶をお願いしたいと思います。小島主任こちらへどうぞ。一言、よろしくお願いします。

ありがとうございました。そろそろお時間がせまってまいりました。小島主任、ご覧のとおり技術部は皆さん賑やかで温かいところです。一日も早く馴染んでいただいてこの技術部にお力を貸していただきたいと思います。では、これをもちまして本日の歓迎会をお開きとさせていただきます。本日はありがとうございました。

 

新入社員歓迎会

そろそろお時間となってまいりました。最後に山本調査役に一言ご挨拶をいただきたいと思います。それでは山本調査役、よろしくお願いいたします。

それでは平成○年度新入社員歓迎会をお開きにしたいと思います。新入社員の皆様が職場にて活躍される日を楽しみにしております。本日はお忙しい中ありがとうございました。

 

社員旅行の宴会

ご歓談中ではございますが、そろそろ宴会もお開きの時間がせまってまいりました。このあたりで手締めを行いたいと思います。それでは小林営業部長に音頭をとっていただきたいと思います。小林営業部長よろしくお願いいたします。

営業部長ありがとうございました。ではこれをもちまして宴会をお開きとさせていただきます。本日の温泉は23時まで、明日はチェックアウトを済ませて9時にロビーに集合となります。本日はどうもありがとうございました。

 

手締めについて

手締めはだいたい役員や役職者が行うことが多く、回ってくることはないとは思いますが手拍子を外して悲しい空気になったり、万が一手締めの役が回ってきたりした時に恥をかかないようマスターしておきましょう。

 

一本締め

お手を拝借
いよーーっ
「パパパン パパパン パパパンパン」

全国的に最もシェアが高いものがこの一本締めです。これで締めておけばまず大丈夫。一丁締めと混同しやすいので注意しましょう。

 

三本締め

お手を拝借
いよーーっ
「パパパン パパパン パパパンパン」
いよっ
「パパパン パパパン パパパンパン」
もういっちょ
「パパパン パパパン パパパンパン」

これが三本締めです。地域や宴会によってはこちらを使用するところも多いようです。
結婚式などフォーマルな締め方はこちらだとも言われています。

 

一丁締め

お手を拝借

いよーーっ
「パン」

短くて簡単ですが一本締めと勘違いして連続で手を叩く人が続出するので最初に「いよーっの後、手拍子一回の方ですね」と確認しておきましょう。

 

上り締め

お手を拝借
いよーーっ
「パパパン パパパン パパパンパン」

これを最初人差し指だけで打ちます。

いよっ
「パパパン パパパン パパパンパン」

二回目はこれを人差し指と中指の二本で⇒薬指も入れて三本で⇒小指もいれて四本で⇒最後に手のひら全体で叩きます。
どんどん叩く面積が大きく、手拍子の音が大きくなっていくので末広がりで縁起がよいと言われています。役員の好みでこれをやる会社もけっこうあるようですね。

宴会が締まったら司会の役目は無事終了です。二次会のご案内などをして忘れ物がないかを最後に確認をしてから店を出るようにしましょう。

 

(おまけ)最後に笑いを取りたいなら・・・

 

司会が二次会の案内をするときにすでに二次会への準備が万端だと楽しいです。例えば二次会がカラオケならばすでにハチマキとマラカスを持って二次会の案内をするとか、ボーリングならば黒いグローブを既にしているとか。「行く気まんまんやん」というツッコミ待ちですね。「二次会に行くぞ」というタスキをかけて案内するとか一升瓶を抱えてアナウンスをするとか。最後をユーモアたっぷりに締めると上司からの評価もあがりますし、二次会に行こうかなという参加者も増えるかもしれません。

宴会の幹事や司会を頼まれて重くなっていた気持ちが少しでも軽くなればと思い、いろいろ書かせていただきました。少しでも活用して宴会を盛り上げて頂ければ幸いです。宴会の幹事は余裕が大切です。いろいろと下準備や練習をしていただき当日は余裕を持って取り仕切って貰いたいと思います。

最後にあなたを幹事にと指名した上司が「あいつに宴会を頼んで良かった」と言っていただけるぐらい、宴会が成功することを祈っています。