「会社の歴史紹介コーナーを任されたけれど、何から始めたらいいのかわからない」
「社史の紹介って、どんな流れで進めればいいの?」
「準備や段取り、進行のコツや注意点が知りたい!」
そんな悩みを抱える幹事さんは、とても多いのではないでしょうか。
会社の歴史紹介は、ただ過去を振り返るだけでなく、社員の一体感や企業文化の共有、顧客・取引先への信頼醸成など、多くの目的を内包しています。
本記事では、「社史紹介」企画の進め方・チェックリスト・台本例・当日の運営ノウハウ・よくある失敗とその回避策まで、幹事さんの目線で徹底解説します。
はじめての方でも、この記事を読めば自信を持って準備・運営できるようになります。
目次
社史紹介の目的と意義を再確認しよう
まずは、会社の歴史紹介コーナーを設ける本質的な目的を整理しましょう。
社史紹介は、以下のような多角的な意義を持っています。
- 創業者や先人の思い・企業理念を全社員で再認識し、エンゲージメントや帰属意識を高める
- 過去の失敗や教訓も共有し、組織の誠実性や透明性を社内外に示す
- 日々の業務が企業の長期的な成長とどう結びつくかを体感できる
- 顧客や取引先への感謝と、企業の信頼性・ブランド力向上につなげる
- 未来のビジョンを共有し、新たなビジネスチャンス創出の場となる
単なる「余興」や「お祝い」ではなく、会社の未来を形作る大切なプロジェクトです。
幹事として「なぜ歴史を紹介するのか?」を明確に持つことが、成功への第一歩となります。
【準備編】社史紹介コーナーの段取り・やり方・チェックリスト
1. 企画の方針決定(5W3Hで目的を明確に)
最初に、以下の「5W3H」フレームワークで企画の骨格を固めましょう。
- Why(目的): 何のために社史紹介を行うのか?(例:社内結束力の強化、採用活動でのPRなど)
- Who(対象): 社員だけなのか、家族や取引先も含むのか?
- What(内容): どの時代・どんなエピソードを伝えるのか?
- When(時期): いつ開催するか?
- Where(場所): 社内・外部会場・オンラインなど?
- How much(予算): どのくらいの費用をかけられるか?
- How to(方法): どの手法で伝えるか?(動画、パネル、寸劇、スライドなど)
- How many(規模): 何人を想定するか?
この段階で、最終意思決定者(経営トップなど)も明確にしておくと、企画がブレにくくなります。
2. コンテンツ案の選定と情報収集
社史紹介で「伝えたいこと」を整理したら、具体的なコンテンツを考えます。
おすすめのコンテンツ例:
- 会社の歩みを振り返る動画(オープニングムービー、スライドショー)
- ヒストリーパネルや年表、昔の写真展示
- 社員参加型クイズ大会・インタビュー・寸劇
- 経営陣や社員の家族からのビデオメッセージ
情報収集は、「過去の社内報」「新聞記事」「決算書」など公的資料のほか、創業者やベテラン社員・OB/OGへのインタビューも重要です。
エピソードは「成功談」だけでなく、「失敗から学んだこと」「現場社員のリアルな声」なども盛り込むことで、共感を呼ぶストーリーになります。
3. ストーリー性のある構成を意識する
単なる年表や出来事の羅列では、参加者の心に残りません。
ストーリー性を持たせるためには、
- 大きな転換点(例:バブル崩壊・リーマンショックなど社会的出来事)
- 困難を乗り越えたドラマや現場のエピソード
- 社員の成長や感動の瞬間
を軸に、物語として組み立てるのがコツです。
文章だけでなく、写真や図表を効果的に配置し、視覚的にも理解しやすい構成を意識しましょう。
4. 会場・機材・備品の手配(チェックリスト)
社史紹介が映える会場や、必要な機材・備品の手配も幹事の大切な役割です。
会場選定のポイント:
- 収容人数・アクセスの良さ
- 雰囲気(歴史を感じられる空間か?)
- オンライン・ハイブリッド対応の有無
機材・備品チェックリスト:
- マイク・プロジェクター・スクリーン・音響設備
- PC・ケーブル類(特にMacの互換性に注意)
- 照明・案内サイン・名札・受付セット
- 撮影機材(記録用)
- 予備の機材(万一のトラブル対策)
必ず事前に会場下見・機材テストを行い、当日のトラブルを予防しましょう。
5. チームの役割分担と進捗管理
大規模な周年記念や全社イベントでは、幹事チーム内の「役割分担」と「進捗管理」が重要です。
- 進行・運営・受付・誘導・機材担当など、担当者を明確に
- タスクごとに担当・期限・進捗を「チェックリスト」として管理
- ガントチャートやExcelで時系列管理すると抜け漏れ防止に
会議やミーティングは、必要に応じて実施し、随時情報共有を徹底しましょう。
6. 進行台本・スクリプトの作成
当日の司会進行には、1分単位で「誰が」「何を」「どの順番で」するかを明記した進行台本が不可欠です。
- 音響・映像のタイミングも細かく記載
- 登壇者や来賓の名前・肩書は名簿にフリガナ付きで用意
- 会場が暗い場合は台本を大きい文字で印刷し、ライトも用意
リハーサルで流れを全員が確認し、不安要素を事前に洗い出しておきましょう。
7. 社史紹介準備のチェックリスト(例)
企画を抜け漏れなく進めるためのチェックリスト例です。
- 目的・ターゲット(5W3H)の明確化
- 会場・日時・予算の確定
- コンテンツ案決定・資料収集・年表作成
- コンテンツ制作(動画・パネル・スライド等)
- 進行台本・スクリプト作成
- 招待状送付・出欠管理
- 機材・備品の最終手配
- 当日ミーティング・担当者最終確認
- 受付・誘導・進行の実施
- トラブル対応体制の整備
- 終了後の片付け・お礼・振り返り・アーカイブ
このようなリストを印刷し、幹事チームで進捗を共有しましょう。
【当日編】社史紹介コーナーの進行と場づくりのコツ
1. タイムマネジメントと進行の工夫
社史紹介コーナーの進行がスムーズかつ記憶に残るものにするためには、
- 進行台本に沿ったタイムキープ(早すぎる場合は歓談時間を調整、遅れた場合は一部省略など柔軟対応)
- 「今は何の時間か」を参加者に明確に伝える
- 場の緊張をほぐすオープニング映像やユニークな演出
が効果的です。
2. 司会・進行のポイントとマナー
司会者は「台本通り」を基本に、
- 登壇者や来賓の名前・肩書の正確な把握(フリガナ必須)
- 丁寧でメリハリのある口調
- 参加者の緊張感を和らげる声がけ
を心がけましょう。
特に、会場が暗くなる場合は台本を大きく印刷し、照明の準備も忘れずに。
3. 場の雰囲気づくり ― 参加者を「自分ごと」にする演出
社史紹介が「他人事」にならないよう、
- 昔の写真や社員インタビューのスライドショー
- テレビ番組風の紹介コーナー
- 社員参加型のクイズやトークセッション
- 経営陣や家族からのサプライズメッセージ
など、参加型・体験型のコンテンツを盛り込むと一体感が生まれます。
4. トラブル対応 ― 事前準備で安心感を
どんなに準備をしても、当日は予想外のトラブルがつきものです。
主なトラブル例と対応策:
- 機材トラブル(映像が映らない、音が出ない)
→ 予備機材を用意・事前テスト徹底・専門スタッフ配置 - 進行トラブル(登壇者遅刻、プログラム遅延)
→ 詳細な進行表・リハーサル・司会者の臨機応変な対応 - 発言トラブル(不適切発言や機密漏洩)
→ 登壇者との事前打ち合わせ・内容確認・対応マニュアル準備
スタッフ間の連絡手段(インカムやチャット)も確保し、現場での情報共有を徹底しましょう。
5. 他社の事例から学ぶ演出・工夫
実際に成功した社史紹介イベントは、ユニークな演出で盛り上がっています。
- ドミノ・ピザ:25周年で「25人に1人が全額無料」キャンペーン
- 崎陽軒:110周年で有志社員によるダンス披露、地域イベントとの連携
- ヤンマーグループ:国内外2500名参加の記念大会でステークホルダーとの絆を強化
自社の社風や規模に合わせて、オリジナルの演出を考えてみましょう。
【終了後編】片付け・お礼・振り返りとアーカイブ活用
1. 終了後の事後処理とお礼
イベントは「当日終わり」ではありません。
- 会場設備の撤収・備品整理・忘れ物チェック・ゴミ処理
- 翌日までに協力者・ゲスト・参加者へのお礼メール送付
感謝の気持ちを迅速に伝えることで、今後の良好な関係構築につながります。
2. 効果測定とフィードバック
イベント終了後は、
- 反省会で良かった点・改善点を整理
- 参加者アンケートで満足度や印象を数値化
- 簡潔なレポートにまとめて次回に活かす
この「振り返り」の積み重ねが、次回以降の企画力向上に直結します。
3. コンテンツのアーカイブと活用
作成した動画・写真・パネルなどは「一度きり」ではなく、
- 社内ウェブアーカイブで新入社員研修や社内教育に活用
- ウェブサイトやSNSでのPR・採用活動でのブランドコンテンツに
アーカイブという考え方を持つことで、社史紹介の価値が長期的な企業資産となります。
【よくある失敗例とその回避法】
社史紹介企画でありがちな失敗と、その回避ポイントをまとめました。
失敗例1: 目的が曖昧なまま進めてしまう
→ 初期段階で「なぜやるのか」を徹底的に明確化し、関係者と共有しましょう。
失敗例2: 創業者や経営陣の美談ばかりで現場の共感を得られない
→ 多様な社員の経験や失敗談、現場の声も盛り込みましょう。
失敗例3: 情報を詰め込みすぎて退屈な内容になる
→ 転換点やエピソードを厳選し、写真や図表など視覚的工夫を。
失敗例4: 準備不足で内容・デザインが中途半端になる
→ 余裕を持った計画・外部の専門家協力も検討しましょう。
【進行台本のサンプル例文】
進行台本(一部抜粋)
オープニング
「皆さま、本日はご多用のところお集まりいただき誠にありがとうございます。
ただいまより、〇〇株式会社の歴史紹介コーナーを開会いたします。」
社史紹介スライド開始
「それでは、創業から現在までの歩みを、写真とともにご覧いただきます。」
(スライド上映・映像スタート)
エピソード紹介
「続きまして、創業当時の苦労や転機となった出来事について、ベテラン社員である〇〇さんよりお話しいただきます。」
クイズタイム
「ここで、会社の歴史にまつわるクイズをお楽しみください!」
クロージング
「本日は最後までご参加いただき、誠にありがとうございました。
今後とも、皆さまと共に新たな歴史を築いてまいりたいと思います。」
【まとめ】幹事さんの社史紹介プロジェクト成功のために
会社の歴史紹介コーナーの企画・運営は、幹事さんにとって大きな挑戦であり、企業の過去と未来をつなぐ重要なプロジェクトです。
今回ご紹介した
- 目的を徹底的に深掘りする
- 時系列のタスク管理とチェックリストの活用
- ストーリー性と人間味を込めたコンテンツ作り
- 台本・チーム連携・トラブル対策で当日の安定運営
- 終了後もアーカイブ・振り返りで価値を最大化
の5つのポイントを押さえれば、初めての幹事さんでも自信を持って進めることができます。
会社の歴史を語ることは、単に過去を称えるだけでなく、未来の礎を築く大切な行為です。
あなたの企画が、会社の新たな一歩となることを心から願っています。
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