幹事を任されると、会場選びや進行、会計などやることが山積みで頭を悩ませますよね。
最近は「ハラスメント防止」も幹事の重要な責任となり、「何をどう気をつけて進めればいいの?」「失敗したら会社の信用に関わるかも…」と不安になる方も多いはずです。
この記事では、そんな幹事さんの悩みに寄り添い、宴会・パーティー・会議を安全かつ安心して運営するための具体的なノウハウと、すぐ使えるチェックリストを徹底解説します。
目次
ハラスメント防止が幹事に求められる理由
かつては「無礼講」と称して羽目を外すことも許されていましたが、今や企業の宴会やパーティーは「職務の延長」と見なされることが一般的です。
その場でハラスメントが起きれば、幹事や会社が法的責任を問われる可能性もあり、単なる進行役以上の「安全管理責任者」としての役割が求められます。
幹事さんが押さえておきたいポイントは
- 宴会・会議の場で起こりやすいハラスメントの種類と具体例
- 防止のための準備・進行・アフターフォローの流れやコツ
- チェックリストや例文など、実践に役立つツール
これらを理解し、適切に運用することで、参加者全員が安心して楽しめる場を作ることができます。
宴会・会議で注意すべき3大ハラスメント
まずは「どんな行為がハラスメントになるのか?」を正確に知ることが防止の第一歩です。
特に宴席で発生しやすいのは以下の3つです。
- パワーハラスメント(パワハラ)
上司が部下に参加を強制したり、余興を無理にやらせる、ミスを執拗に責めるなど、立場を利用した言動。 - セクシュアルハラスメント(セクハラ)
不要な身体的接触、性的な冗談やプライベートな質問、女性にだけお酌を強要するなど。 - アルコールハラスメント(アルハラ)
飲酒の強要、イッキ飲みの強制、酔った上での迷惑行為、飲めない人への配慮欠如など。
こうした行為が発生した場合、会社や幹事の責任が問われることもあるため、事前の対策が欠かせません。
【準備編】ハラスメント防止のための段取りとポイント
1. 参加の任意性を徹底しよう
宴会や会議への参加を強制するのは、パワハラにあたることがあります。
案内状やメールには必ず「参加は任意です」「ご都合のつく方のみご参加ください」と明記しましょう。
また、欠席理由を尋ねたり詮索するのはNGです。
2. 事前アナウンスで行動規範を明確に
参加者全員に「ハラスメント防止」の協力を事前に伝えることで、無意識のうちに起きやすい問題行動の抑止につながります。
【案内メール・掲示例文】
「皆様が安心して楽しめる会となるよう、飲酒や言動においてハラスメントと受け取られる行為は固くご遠慮いただきます。ご理解とご協力をお願いします。」
3. 会場選びで防げるリスクがたくさん!
会場の物理的な環境や立地も、ハラスメントの発生リスクを大きく左右します。
- プライバシー・区画:個室や貸し切り、半個室で周囲の目を気にしなくてよい会場が理想的です。
- アクセスの良さ:駅近で帰りやすい場所を選ぶことで、無理な二次会や飲酒運転のリスクも減少します。
- 飲み物の多様性:ノンアルコールやソフトドリンクが豊富か事前に確認しましょう。
- レイアウト・スペース:狭い空間は不快な接触や孤立を生みやすいため、余裕のあるレイアウトを。
グルメプラスなどの会場予約サービスを活用すると、個室・飲み放題・アレルギー対応などの条件で簡単に絞り込めて便利ですよ。
4. 席順の工夫でトラブル防止
席順は運任せにせず、過去に問題があった方の近くには信頼できる上司や幹事を配置するなど、リスク管理を意識しましょう。
部署をまたいで交流が深まるような配置もおすすめです。
5. 出欠・アレルギー・役割分担のチェック
出欠確認時には、必ずアレルギーや食事制限の有無もチェックしましょう。
また、乾杯や挨拶などをお願いする場合は事前に依頼し、当日の負担やプレッシャーが偏らないようにします。
【準備段階のハラスメント防止チェックリスト】
- 案内状に「参加は任意」と明記したか
- ハラスメント防止の一文を入れたか
- 会場のプライバシー・アクセス・飲み物を確認したか
- 席順・役割分担を事前に決定したか
- アレルギー・食事制限を確認したか
【当日編】幹事が現場で気をつけるべきポイントと進行のコツ
1. 開会の挨拶でトーンを設定
最初の挨拶で「ハラスメント防止」を明言し、全員に安心してもらいましょう。
【開会挨拶例文】
「本日はご参加ありがとうございます。
皆様がリラックスして楽しめるよう、お酒の強要や不快な言動は絶対にないようご協力をお願いします。
もし何かあれば、遠慮なく幹事にお声がけください。」
2. 幹事は“飲みすぎない”&広く見渡す
幹事自身が飲みすぎてしまうと、現場管理がおろそかになりがちです。
自分の飲酒は控えめにし、常に全体の様子を観察しましょう。
孤立している人や、明らかにペースの早い人、強要や不快なやりとりがないか、定期的にテーブルを巡回するのもポイントです。
3. もし問題行動を見かけたら?スマートな介入術
- 会話に割って入り話題を変える(例:「〇〇さん、最近どうですか?」)
- 困っている様子の方には席を移動してもらう・幹事が間に入る
- 泥酔者には水やお茶を勧め、帰宅手段(タクシーなど)を手配
- 必要なら、加害者をそっと呼び出し個別に注意する
公然と注意して相手の面子を潰すよりも、ソフトな方法で流れを変えるのがコツです。
協力者(上司や信頼できる同僚)を事前に頼んでおくと、幹事一人では気づきにくい問題も早期発見しやすくなります。
4. 閉会時も油断せず、最後まで見届ける
終了20~30分前にはラストオーダーを伝え、会の終わりを意識させましょう。
閉会の挨拶では「本日も皆様のご協力で安全な会となりました」と感謝を伝えます。
全員が無事に帰るまで、忘れ物や泥酔者の見送りも幹事の大切な役割です。
【終了後編】アフターフォローとトラブル対応
1. お礼メール&会計報告で信頼度UP
翌日中には参加者全員にお礼メールを送りましょう。
会費徴収があった場合は、収支を明確に報告し、透明性を保つことが信頼につながります。
【お礼メール例文】
件名:【〇〇部 懇親会】御礼(幹事:△△)
本文:昨日はご参加ありがとうございました。皆様のご協力で楽しく安全な会となりました。今後ともよろしくお願いいたします。
2. 振り返りで“次回”に活かす
幹事チームや個人で「良かった点」「ヒヤリとした場面」「会場や進行の評価」を振り返り、簡単なメモや引き継ぎ資料を残しておきましょう。
これにより、次回以降の幹事業務がグッと楽になります。
3. 万が一の相談対応
宴会後に参加者から「実は不快な思いをした」と相談を受けた場合は、
- まずは静かな場所で話を聴く(傾聴と共感)
- 個人で判断や調査をせず、会社のハラスメント相談窓口や人事部に繋ぐ
- 相談内容・個人情報は厳守
といった対応が重要です。
【実践ツール】幹事用ハラスメント防止チェックリスト
忙しい幹事さんにおすすめなのが、時系列に沿ったチェックリストの活用です。
- 【1ヶ月前】日程・予算・会場リサーチ開始
□ 主要参加者の予定確認
□ 予算にノンアルコール・帰宅費用も含める - 【2~3週間前】会場予約・出欠案内
□ 案内状に「参加は任意」「ハラスメント防止」を明記
□ アレルギー・食事制限の確認 - 【1週間前】席順・役割分担・最終案内
□ 席順でリスク分散
□ 乾杯や挨拶を事前依頼 - 【当日】
□ 幹事は飲みすぎず全体を見渡す
□ 開会挨拶で行動規範を伝える
□ トラブル時はソフトな介入を最優先
□ 泥酔者には水・タクシー手配
□ 忘れ物・無事帰宅まで見届ける - 【翌日】
□ お礼メール・会計報告
□ 振り返り・引き継ぎ資料作成 - 【相談対応】
□ 相談者のプライバシー尊重
□ 人事・専門窓口へ連携
このリストを印刷して持参するだけで、抜け漏れを防ぎ、安全意識も高まります。
【コミュニケーション例文集】困った時のフレーズ
- 飲酒を断る際
「体質的にお酒は飲めませんので、ソフトドリンクで失礼します。」
「医師からアルコールを控えるように言われておりまして。」 - 介入時(加害者に対して)
(小声で)「〇〇さん、少しペースが早いようですが大丈夫ですか?△△さんも困っているようなので、お水を挟みましょうか。」
「皆さん、こちらのお料理もいかがですか?」(話題転換)
事前にこうしたフレーズを周知しておくと、参加者自身も安心して自分を守れます。
まとめ:幹事さんの“安全配慮”がみんなの笑顔を守る
宴会や会議の幹事は、単なる進行役ではなく、参加者全員の安全と尊厳を守る大切な役割です。
「ハラスメントは絶対に許さない」という明確な方針と、周到な準備・進行・アフターフォローが、会社や組織の信頼を守ることにつながります。
チェックリストや例文などのツールを活用すれば、経験が浅い幹事さんでも安心して運営できます。
ぜひこの記事の内容を活かして、誰もが安心して楽しめる宴会・会議を実現してください。
幹事さんの気配りと工夫が、組織の未来を明るくします!
会場選びや事前準備には、グルメプラスのような幹事サポートサービスもぜひご活用ください。