水炊きって何？発祥の地はどこ？

好きな鍋料理のランキング上位に挙げられている水炊きを、食べた経験のある人は多いです。しかし、まったく水炊きに触れた経験のない人も少なくありません。どんな料理なのか、発祥はどこなのか、寄せ鍋との違いや、おいしく食べる方法などを知っておくと忘年会・新年会などで役立ちます。

水炊きは長崎と関西の２つの説がある

水炊きとは日本四大鶏鍋料理の一つで、秋田のきりたんぽ・東京の軍鶏鍋・京都のかしわ鍋と並ぶ鍋です。水やお湯に鶏肉や野菜などの具を入れ、煮たたせる途中で具から出汁を取ってうまみを引き出して食べる料理となっています。

出汁がよく出るように鶏肉は骨付きの部分を使用することが多いです。煮込んでいくことで鶏肉や野菜などから旨みが出てきて水が白濁し、食べ終わるころには旨みが凝縮されているスープが残ります。残ったスープにご飯やうどん、パスタなどを入れて食べている家庭も多いです。

鶏肉や野菜などの具は一般的に何もつけずに素材の味を楽しむ人や、ポン酢しょうゆ、地域や好みにより柚子胡椒に着けて食べる人もいます。最もポピュラーな水炊きは1643年頃に、長崎の家庭料理でした。

江戸時代の記録に長崎名物と紹介されていたものを長崎の人が博多に伝え、博多の料理屋で出したものが現在の物に近いため発祥となります。これ以外にも関西風の水炊きなども存在していますが、関西風は昆布だしをベースとしただし汁で煮るため、多少味が異なるのも特徴です。全国では関西風の味付けで食べる家庭が多いですが、メディアで取り上げられているのは博多のものが多いといいます。

寄せ鍋と水炊きの違いはどこ？

あっさりしており出汁や水で食材を煮て作ることから、寄せ鍋と水炊きは混合されやすいです。しかし、実は作り方などに大きな違いがあります。寄せ鍋は水炊きのように出汁や水だけであっさりと煮るのではなく、地域や家庭により味付けが異なります。また、具も地域や家庭により大きく異なるのもポイントです。

例えば魚介類と野菜のみ入れて肉を入れない物や、鶏肉ではなく豚肉やイノシシ肉、シカ肉などを利用するところもあります。味付けも塩・醤油・酒・みりん・みそなどを使ってじっくり味をつけて煮るところがポイントとなっています。完成時にはじっくり煮てあるため味がしみ込んでおり、そのまま食べられるのも特徴です。薬味に唐辛子や柚子胡椒、ゴマなどを振って食べる人もいます。味がすでについていることからポン酢しょうゆを使わないのも特徴です。最後にご飯やパスタ、うどんなどを入れてシメを楽しむところはどちらも同じですが、最初から味がついているか否かが寄せ鍋と水炊きの違いといえます。

水炊きのおいしい食べ方

現在の本場である博多では、まず鍋に水やお湯を入れて火にかけ、骨付きの鶏肉を入れてからひと煮立ちさせてからスープの味を堪能します。鶏の旨みが凝縮されているため、シンプルでじんわりとした味わいが口の中に広がるのを楽しむことが最初です。人によりネギや塩をスープに入れて飲む人もいます。

その後鶏肉を食べますが、骨がついていて食べにくいのではないかと考える人も多いです。しかし、基本的にじっくり煮込まれた鶏肉は骨から簡単にとることができるため、苦労することはありません。ポン酢や紅葉おろし、柚子胡椒などを利用するとさらにおいしいです。

食べてから他の具を煮込みますが、この時に骨付き肉ではなくつくねやモモ肉なども入っているため、食べ応えがあります。店で食べるときにはオリジナルのつけだれを用意されることもあるため、利用する人も多いです。

食べ終わったらシメに入りますが、お店で食べる場合はご飯を入れて作るおじやか、中華麺を入れてちゃんぽんにするといいます。ご飯は食べ応えがあっておいしいですが、好みによりちゃんぽんを楽しむのもいいでしょう。お店で選ばせてくれるため、胃袋や一緒に行った人と相談して食べてください。家庭で作る場合はうどんやパスタを入れる家もあります。

今では博多の名物といわれていますが、もともとの原型は長崎の家庭料理でした。長崎から博多に伝わり、現在のような形になったといいます。寄せ鍋のように最初から味をつけて食べるのではなく、鶏肉や野菜のうまみを引き出す食べ方が特徴です。ぶつ切り肉などを入れてじっくり煮込んでスープを取り、食べることで芯から体が温まります。